ジュリ・ミルダバーグ Juri Milderberg(エストニア・タリン在住)
1965年エストニアの首都タリンに生まれる。有名な画家を父に持ち、絵筆をおもちゃに父のアトリエで成長。現在では自国のエストニアのみならず、フィンランド、フランス、ベルギー、オランダなどヨーロッパ諸国での人気が非常に高い。奥さんのPiretさんもイラストレーターであり、昨年はエストニアの児童絵本文学の1等賞に輝くなど、芸術家夫妻である。

心奪われる「不思議と現実」

ミルダバーグの絵を前にすると、時間が過ぎるのも忘れて、描かれた人物の表情、眼差しにくぎ付けになってしまう。そして、そのうちに彼の描く摩訶不思議な動物も、「えっ、こんな動物いないよ」ではなくて、「こんな動物にどこかであったことがあるなあ」だったり、「こんな場所に木が生える訳がない」ではなくて、「これと似た景色を見たことがあるような……」とすっかり、画家の魔法世界の住人になってしまっている自分に気づく。
 今年の1月フィンランドのヘルシンキで開かれた展覧会は大成功を治め、新聞や雑誌がこぞって彼の才能を褒め称える記事を書いた。最も影響力の強いフィンランドの新聞の中で美術批評家は彼をシャガールにたとえ、「magical and surrealistic at the same time」 摩訶不思議さと超現実主義が同居した作家と彼の画家としての魅力を語った。
 今、彼は何人かの人気男性作家による短編小説に挿し絵を描くという大変おもしろい仕事にとりかかっているそうだ。「子どものための父親が語る妖精物語」。今から出版が待たれる。常に時代がミルダバーグに格好の「遊び場」を与え、彼はそこで誰よりも夢中でいられる遊びの天才なのかもしれない。
 アートGは彼に大きな遊び場を提供できる存在であり続けたいと願っている。

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