2006 Spring Art Collection
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ギャッベ
2006 Spring Art Collection
ギャッベを進化させ、ギャッベとともに生きてきた男、Mr.ゾランバリー。
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  Mr.ゾランバリーの挑戦 愛されるギャッベへの長い道のり
  その昔、ギャッベは遊牧民が自らのために織る生活用具でした。そのギャッベを今日のモダンアートに育て上げた功労者をあらためて紹介したいと思います。現代のモダンギャッベの育ての親、イラン・ギャッベ絨毯商のゾランバリー・ファミリーの当主Mr.ゾランバリーです。
  ヨーロッパや日本で人気の高い、現在のギャッベは、デザイン、色合いともナチュラルで落ち着いた雰囲気をもったものです。しかし、元々のオリジナル・ギャッベは、自然の風景を絨毯の中に描き込み、あふれんばかりの色彩に満ちたものでした。それは自然とともに生きる遊牧民にとって、絨毯が道具であると同時に自己表現の絵画であり、自然を描写するスケッチであったからです。そのオリジナル・ギャッベを、遊牧民の非常に優れたアート感覚を生かしつつも、都市生活者のライフスタイルに合わせて柔軟に変化させ、染色や洗いなどの徹底的な管理を行って商品としてのギャッベにプロデュースしたのが、Mr.ゾランバリーです。
  彼がギャッベを商い始めたのは半世紀前、イラン・シラーズのバザールの門外にある小さな店からのスタートでした。遊牧民が織り上げたギャッベを、そのままバザールに持ち込んで、商人に売っていたこの当時のギャッベは、品質もまちまちでした。遊牧民の素晴らしい芸術感覚に魅せられていたMr.ゾランバリーも、このままでは商売にならないと感じていました。
  高い技とセンスを持った人々との間に独自のネットワークを築き、何とか商いとしても成功させたい。Mr.ゾランバリーは、遊牧民のテントを訪ね歩きました。一度旅に出ると2〜3週間は戻らず、その交通手段はロバや馬。まだ幼かった息子たちは、いつまでも帰らぬ父の無事を祈る母の姿を記憶しているといいます。
  現在、カシュガイの女性1800名の織りの名手が、遊牧地でテント生活をしながら、ゾランバリー・ファミリーを支えています。最高の品質のギャッベは、遊牧民とゾランバリー家との強い絆があって初めて、作り上げられるのです。
  さらに、Mr.ゾランバリーは、長男レザーをスイスの大学に留学させ、そのままヨーロッパに滞在させています。顧客の要望を吸収しつつ、販路開拓に当たらせるなど、広い視野からギャッべを育てるためです。そして、2006年現在、スイス、ドイツ、ニューヨーク、南アフリカに支店を持つ世界のギャッベ絨毯商として、ゾランバリー・ファミリーの地位はゆるぎないものになっています。
  かつて化学染料を使った、太い糸で結びの粗い商品が出回り、ギャッベはヨーロッパの人々からは安物扱いされていました。それを、糸を細くして天然染料に切り替え、品質管理を徹底して高級品にし、その中に遊牧民が持つ自由奔放な表現感覚を見事に生かしたのです。現代のライフスタイルに合ったそのギャッベは、モダンアートでありながら、現代社会の忙しさの中で、なつかしさとともにホッと一息つけるやすらぎを与えてくれます。
   
自然と調和したカシュガイの生活の中でギャッベは生まれます。
  イラン南部の都市シラーズより車で4時間ほどの所に、フィルザバードという小さな町があります。この町の周辺にはカシュガイの人々が暮らす黒いテントが多く見られます。
  ペルシャ湾に近く、温暖なこの地は遊牧民の越冬地としても知られています。訪ねたのは3月上旬。4月になると夏の暑さを避けて、片道300kmの行程を羊と共に歩いて旅をし、約1か月かけて夏の遊牧地へ移動します。自然の流れと共に生活を送るカシュガイの母親から娘へと、ギャッベを織る技術は伝承されていきます。
 
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