国際子ども教育基金(CEFI)活動報告
忘れないでください! アフガニスタン。
高原アートGは2002年より「アフガン子ども教育運動」への支援を開始。2003年6月に、非営利団体「国際子ども教育基金(CEFI)」を設立。アートGでの売り上げの1割をお客様からの支援預かり金として、アフガニスタンの教育支援に役立てています。

女性教師5人のチャレンジ
▲このアフチルシドのキャンプから公立の学校まではとても遠い。モバイル・ワークショップでの、補習授業は重要である。
▲屋外のテント生活では、この冬の寒さは乗り越えられず、政府の援助で廃屋のビルに移動したチャマネバーバリックの人々。クラスは続く。

 2004年3月にスタートさせたモバイル・ワーク・ショップ(移動式教室)。3カ所の国内避難民(IDP)のキャンプで、子どもたちと母親を対象にまずは識字教育と保健教育ということで、その運営を全アフガン婦人連盟にまかせ、この1年間が経過した。
 その調査と今後の方向性を決めるために3月にカブール入り。先生達の仕事環境は、非常に厳しい状況。自らが難民キャンプに出かけ、普段は住居として使っている空間を教室にしてのクラス運営。特に女性の教育に関しては、超保守的なキャンプもある。その上、貧しいが故に運営費に関しても、様々なトラブルが発生している。そんな中でも、金曜日を除くほぼ毎日、1日2時間のクラスを3カ所で4クラス継続していた。
 キャンプの代表者などの第3者を通して、先生たちが非常によくやってくれているという報告を受け、実際に1年前と比べ、生徒たちの明るさを増した顔に成果が見てとれた。この1年間の識字クラスを終えて、さらなる充実を図ろうと先生達から洋裁クラスを開きたいとの提案があり、これを承認。女性の3クラスに手動ミシン15台を購入、新しくハビバ・サルターニ先生(38歳・女性)を洋裁専任の先生として雇い、3クラスをローテイションさせることでスタートした。先生達も全員、洋裁の素養を有しているので、この時はアシスタントを務める。ともすれば、明るい話題の少ないIDPキャンプで女性の多くが夢を持てるものをテーマにと、結婚式に使うウェディングドレスにしぼって洋裁訓練を始めることにした。
 1年後にカブールの市内に自分たちが作ったドレスを売る店を、将来はウェディングドレスの専門工場を作ろうと話題は盛り上がっていく。スタート早々洋裁クラスはすごい人気で、指導者をもう一人雇いたいという積極的な申し出を受けたところである。夢に向って進む、女性教師のチャレンジを支援し、見守っていきたい。   (向村)

▲もどってきた笑顔。一年前にはこのような笑い声は響かなかった。
▲モバイル・ワーク・ショップの先生の中では一番若いシュケバ先生。人一倍熱心。
▲洋裁クラスのスタートは、夢のあるウェディングドレス作りから。
▲2004年度、大阪府仏教青年会の援助で購入した車。このモバイル・ワーク・ショップの要である。
▲パキスタンからの帰還者が多いこのキャンプでは、学習意欲が大きい ▲年齢の高い女性も読み書きを一から学ぶ。
▲アジズ・バラティ先生は男子クラス担当。カブール大卒業のインテリ。内戦中はイランに難民として暮らす。 ▲このテントが、ワイスラバード・キャンプの男子教室。
▲カルシェド先生は、できない子には手をとって教える。 ▲ワイスラバード・キャンプはパンシール出身者が多く、保守的。成人女性はブルカを着る。
▲女性の自立への早道は、手に職を持つことである。 ▲ドレス用の布を手にする女性たち。識字クラスの時とは違う華やいだ雰囲気が満ちる。
▲電気のないキャンプ。中国製の手動ミシンが主役である。 ▲女性の意識をかえ、手に職をつける訓練には時間が必要。
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